今日、放課後の空がすごくきれいだった。校舎の窓ガラスが全部オレンジ色に光ってて、まるで学校全体が夕焼けを吸い込んでるみたいだった。私はいつもより少しゆっくり帰って、グラウンドのフェンスのところで空を見上げてた。
隣のクラスの彼が、友達と笑いながら自転車を押して歩いてて、その笑い声が風に混ざって聞こえた。その瞬間、胸のあたりがきゅってなって、なんでかわからないけど涙が出そうになった。好きって、たぶんこういうことなんだと思う。言葉にならないまま、心の奥で光る感じ。
家に帰って制服を脱いだら、空のオレンジがまだ手のひらに残ってた気がした。
もうすぐ卒業で、みんな別々の道に行くけど、この放課後の色だけはきっと忘れない。
あの笑い声も、風の匂いも、全部この季節に閉じ込められてる。
明日も、同じ空が見られますように。